2017年12月21日
_ [底辺]底辺ビジネス
「パラサイト・シングル」という表現で有名な,中央大学の山田昌弘先生の著書,「底辺への競争」を読んだ。「底辺」という表現は,差別用語の様な気がしていた。しかし,実際には違うみたいだ。
少し意味が違うけど,銀行が提供している無担保ローンや,カード会社のリボ払いって,言ってみれば底辺ビジネスだ。年換算 10% 台の金利を負担するということが理解できない底辺層からの搾取なんだから,そりゃぁ,儲かるだろう。製造業も底辺ビジネスだ。最低賃金で働くしかない底辺層のブルーカラーに支えられて工場の現場が成立している。
製造業を営む会社の社長業を10年もやっていると,底辺の底辺たる所以によく遭遇する。イギリスの労働者階級や,アメリカのヒルビリーなんかとおんなじみたいで,かなりたちが悪い。
冒頭の底辺へ戻る。政府が「1億総活躍」とか言ってるけど,1億火の玉とか言いながら先の大戦の敗戦を迎えたように,行きつく先は1億総底辺化なんじゃないかと思う。正に,底辺への競争だ。