2016年03月26日 [長年日記]
_ [R1200GS]今年の走り初めと,とある決心
前日からバイクのバッテリーを充電していた。過放電で駄目になっているかもしれないって心配していたんだけど,今日になったら充電機の表示が充電完了を示していた。バッテリーの電圧を監視しながら充電するタイプなんで,もしかして,これは行けるんじゃないかとドキドキしてきた午前10時。バッテリーを車両に乗せ,久しぶりにセルを回したら1発でエンジン始動。火が入るのは,昨年の8月以来だ。色々と事情はあるんだけど,なんか,もう少し乗ってやりたいものだ。
セルフのスタンドで給油して,ウェスで軽く磨いたら10年以上前の車体とは思えない輝き。走り出した時は体がバイクを忘れていて,「えっと,どうすんだっけ?」って感じでオタオタしたんだけど,30分も走ると「あぁ,こんな感じよね。」ってなってきた。ドコドコとのんびり下呂方面へ向かい,パスカル清見で休憩したのが15時過ぎ。混雑する道の駅なんだけど,さすがに寒いから閑散としていた。
昨年の車検の時にバルブクリアランスと同調を調整してもらい,前後のタイヤを交換してから 1,000km も走ってないから,マイルドでクリーミーなフラットツインでとっても快調。のんびり走っても気持ち良いし,回せば 100馬力で加速していく。路肩には雪が残っていて気温も 10℃ 以下まで下がっていたけど,完全冬装備なので特に苦痛ではない。そんな感じで快調にせせらぎ街道を北上し,西ウレ峠を越えて下りにさしかかった所で異変が発生した。見たことなかったんだけど,ABS の警告灯が点滅しっぱなしになってしまった。こんな症状の情報は知っていた。だもんで,ちょっと休憩して「知恵熱」の様子を見た。
10分程休憩しても,症状は変わらなかった。キーを回してセルフチェックが走った時点で,ABS の警告が点滅する。この車両,ブレーキにサーボアシストが付いているのだけど,それが機能しなくなるトラブルが良くあるらしい。この時点では,サーボアシストも機能していたが,不安だから引き返すことにした。
引き返してせせらぎ街道を南下し,再びパスカル清見で休憩。再度10分程休憩してから様子を見たんだけど,症状は変わっていなかった。駄目だった。郡上まで行って高速に乗り,お世話になっているバイク屋さんに寄ることにした。ここまでは警告灯が点滅するのが気持ち悪いだけだったんだけど,状況は変わる。
パスカル清見からせせらぎ街道を南下し,チンタラ走っている車の後について走行中のことだった。信号が赤だったんで,手前からシフトダウンして減速していた。停車前に,ブレーキング。そしたら,レバーもペダルもスカッと俺の意図を無視して,止まらない。「えっ?」っとしか言えなかった。普段は中指1本でキュッと制動してくれるブレーキレバーが,4本指で握りこまないと機能してくれなかった。限定解除の試験の時みたいに4本指での制動。しかも,結構力いっぱい。突然そうなる怖さったらない。
こういう症状が出ることがある。それを知っていて本当に良かったと思う。場合によっては,死んでたかも知れない。
郡上から高速に乗り,嫌な緊張感満載で走って岐阜市のお世話になっているバイク屋さんに到着したのが18時過ぎ。普段見たことない人がお店を切り盛りしていたんだけど状況を説明したら,「だから俺は,辞めたんですよ。」って言われた。
この世代の車両,こんなことが良くあるらしい。だから,とてもお客さんに勧められないから BMW の代理店を辞めた。岐阜市にあるノースウイングというお店なんだけど,この日お店を切り盛りしていた社長さんはそう言う。1時間程色々とお相手をいただき,少し落ち着きを取り戻した頃,キーを回してみたら全ての機能が回復していた。勿論,ブレーキのサーボアシストも。
もう,信用できない。バイクには,趣味で乗っている。走るのは楽しいし,気持ち良い。だけど,突然止まらなくなるって,それはないと思う。そんな車両に命を預けるなんて,とてもできない。ちょっと想像してみて欲しい,突然ブレーキが緩くなるってのを。
ガストン・ライエがパリダカールラリーで活躍する映像を中学生の頃に見たときから,ずっと BMW GS への憧れってのがあった。でも,その頃の BMW と今のとは色々と違うみたいだ。BMW R1200GS というバイクが大好きで乗っていた。でも,たまにちょっとブレーキが効かなくなる位,どうってことないでしょうとは思えない。
大好きで乗っていた R1200GS なんだけど,手放そうと思う。